SennaRinインタビュー
重なる偶然はまさに“運命”
肌で感じた『BLEACH』の魅力
――「千年血戦篇」のエンディングテーマを担当すると決まったときのお気持ちをお聞かせください。
SennaRinさん(以下、SennaRin)
世界中で愛され、そして私自身も大好きな『BLEACH』に関わらせていただけることが、心から嬉しかったです。というのも、「千年血戦篇」のエンディングテーマを担当させていただくことが決まる前に、別件で海外のアニメイベントでライブをする機会があったのですが、イベント会場に『BLEACH』のブースが出展されていて、そこで斬魄刀をぐるぐる振り回しているファンの方がいらっしゃって(笑)。
『BLEACH』が世界中で愛されていることを肌で実感しました。
そんなご縁もあり、エンディングテーマを担当させていただくことを知ったときは「運命だな」とびっくりしちゃいました。
――『BLEACH』との出会いをお聞かせください。
SennaRin
『BLEACH』は小さい頃から知っていましたが、物語をちゃんと知ったのは、アーティスト活動を始めてからです。作詞やクレジットの名義に“茜雫”という苗字をつけたことを発表したときに、「『BLEACH』の茜雫が好きなんですか?」というコメントがあって、気になって調べたのがきっかけでした。
そこから原作にも触れるようになり、無我夢中で原作を読み進めてしまって(笑)。
今ではすっかり大ファンです!
――好きなキャラクターはいますか?
SennaRin
やはり茜雫というキャラクターとは、運命の出会いだったと思うので特別な想いがありますね。茜雫は『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』のオリジナルキャラクターですが、もちろん原作に登場するキャラクターたちも大好きです。
でもみんな素敵なキャラクターなので、好きなキャラクターは時期によって変わります(笑)。
先行上映会で「千年血戦篇」を観たときは、一護がすごくかっこよかったので一護への熱が最高潮に高まりました。
今はウルキオラがすごく好きです。
あのクールさにやられてしまいました(笑)。
護廷十三隊の中だと、同じくクールな一面を持つ日番谷が好きです。
――Sennaさんにとって『BLEACH』の魅力はどういったところですか?
SennaRin
キャラクターが発する一言一言のセリフが心に響くところです。言葉では表現しづらいですが、『BLEACH』でしか味わえない言葉の響き方を感じています。
原作は文字と絵だけで表現されているのに、音や空気感までもが伝わってくるような迫力があってすごくかっこいいですし、アニメは、「いわゆる“神作画”というのはこういうことか!」と思うくらい、ひとつひとつのシーンが映画のように美しくて驚きました。
最終章ということで、原作で読んではいるけれど「あのシーンがどう描かれるのだろう」と気になりますし、劇中のBGMもすごく素晴らしいので、私も視聴者としてとても楽しみです。
疾走感と重厚感漂うサウンドに
“精神世界”の詞が合わさるエンディングテーマ
――楽曲の制作時に印象的に残っているエピソードはありますか?
SennaRin
イントロの「ドゥンスパドゥン」という部分は、最初のデモのときにはなかったのですが、レコーディングの際にプロデューサーの澤野弘之さんの一声で入れてみよう、となりました。このイントロで曲の雰囲気がガラッと変わって、よりかっこよくなったので、澤野さんは魔術師だと思いました(笑)。
もともとその部分には「シューンッ!」という、刀を振ったときのような風切り音が入っていたのですが、それも『BLEACH』らしくてかっこいいので、音源に残してもらっています。耳をすませたら「ドゥンスパドゥン」のバックにその音が聞こえるかもしれないので、ぜひ聴いてみてください。
――「最果て」はどういったテーマの楽曲でしょうか?
SennaRin
作詞する際にイメージしたのは“精神世界”です。個人的に『BLEACH』において“精神世界”がひとつのポイントでもあると思っていて、とくにサビは一護と内なる虚が掴み合って、猛スピードで落ちていくようなシーンを想像しながら書きました。
ただ、『BLEACH』と同じように聴いてくれた人の解釈を大切にしたいので、私の想いを話すのはこのくらいに留めておこうと思います。
ほかにもたくさんの意味を込めて歌詞を書いたので、聴いてくれたみなさんがどう受け取って、どう解釈してどんなシーンを思い浮かべてくれるのか、とても楽しみです。
――MVの撮影はいかがでしたか?
SennaRin
MVは囚われて繋がれているシーンと、「最果て」をイメージした砂漠のシーンの2つで構成しています。砂漠のシーンは、砂漠に見える海辺で撮影したのですが、その日はすごく風が強くて、髪の毛を散らしがら熱唱しました。
セッティングの段階では曇り空だったのですが、いざ撮影を始めたら雲ひとつない青空になって(笑)。
実は私、ものすごく晴れ女なんです。
そのパワーがこのときにも発揮されてしまいました(笑)。
一方で、「最果て」でもお世話になった澤野さんは雨男なんですけど、お仕事でご一緒するときに「Rinちゃんがいれば雨は降らない」と言って傘を持ってこないんですよ。
私の晴れ女パワーをそこまで信頼してもらっているので、責任重大です(笑)。
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SennaRin「最果て」Music Video
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ノンクレジットエンディングムービー
映画に歯磨きにカフェ
創作に欠かせない数々のルーティーン
――「千年血戦篇」は滅却師と死神の“因縁”や“戦い”が描かれていますが、ご自身に起こった“因縁”や“戦い”はありますか?
SennaRin
それこそ「最果て」のMV撮影は、とにかく“自分との戦い”でした。先ほどの囚われているイメージのシーンでは、たくさんの管で繋がれた状態で撮影をしたんです。
撮影中は頭も手も繋がれていて、少しも動けない状態が3~4時間ほど続いたので大変でした。
撮影の途中に、なぜか舞台セットといっしょに私を繋いでいる管が持ち上がってしまうハプニングもあって(笑)。
あのときはUFOキャッチャーの景品になった気分でした。
そんな大変な撮影だったので「いい映像にしてやる!」と頑張って、すごくインパクトのあるMVになっていると思います。
――ご自身のルーティーンはありますか?
SennaRin
仕事だけでなく、プライベートでもたくさんのルーティーンを決めるタイプです。レコーディングやライブで歌う前には、歯を磨いて口の中をリセットします。
これはずっと無自覚でやっていたのですが、周りのスタッフさんに言われて気付きました(笑)。
また、作詞をするのは家でできないタイプなので、絶対にカフェに行って、閉店まで作業します。
それこそ「最果て」の歌詞もカフェで生まれました。
頼むメニューも座る位置もいつも同じなので、そろそろ店員さんに顔を覚えられていそうです。
私は店員さんの顔は覚えました(笑)。
――お仕事する際にインプットするジャンルとして多いものは何ですか?
SennaRin
インプットの材料としていちばん多いのは映画ですね。気軽に観られるので、仕事のない日は家で4~5本は観ます。
作詞をするうえでは、テーマを決めたらひたすら同じジャンルや似たテーマの映画を観続けることが多いです。
以前「証」という、ものづくりをする人をテーマにした楽曲を作詞したときは、ノンフィクション映画やテレビ番組の『情熱大陸』をたくさん観ました。
最近は地球滅亡がテーマの映画が好きで、作詞の参考にもなるのでよく観ます。
この前『ドント・ルック・アップ』という作品を観たのですが、地球滅亡系の“あるある”を裏切るような驚きの展開に引き込まれました。
あとインプットというよりは趣味に近いのですが、やっぱり昔から音楽を聴くことが好きです。
小学生の頃によく聴いていたAimerさんのアルバムに収録されている「Re:pray」という曲が大好きで、アニメ『BLEACH』のエンディングテーマだったことを大人になってから知って。
実は昔から『BLEACH』に間接的にも触れていたと思うと、嬉しかったです。
――これからの放送に向けてファンの方々に向けてメッセージをお願いします。
SennaRin
『BLEACH』のエンディングテーマを担当することが決まったときにたくさんのあたたかいコメントをいただいて、『BLEACH』を愛する人たちの熱量を強く感じました。『BLEACH』を人生の励みや教訓にしている人は多いと思いますし、私もそのひとりです。
そんな作品のエンディングテーマを担当できるなんて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです!
「千年血戦篇」とともに「最果て」も、たくさんの方に好きになってもらえたら嬉しいです。
TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』エンディングテーマ「最果て」
11月23日(水)から発売開始(※先行配信は10月18日(火)から開始)
11月23日(水)から発売開始(※先行配信は10月18日(火)から開始)