BLEACH 千年血戦篇

SPECIAL

大原さやか(黒崎真咲役)インタビュー

――10年ぶりにアニメ化される『BLEACH』に関わることが決まった時の感想をお聞かせください。

大原さん(以下:大原)

ついに来た!という気持ちと、少しだけ怖いような気持ち、でしょうか。
出演者の末端に加えていただけているとはいえ、あまりにも作品に関わっていない時間が長すぎたので、わたしが初期の頃から黒崎真咲を演じていたことを、どれだけの方が覚えていてくださっているかなあというドキドキ感(笑)ゲームの方ではひと足先に高校生の真咲をほんの少し演じさせていただいていましたが…なので、純粋にとても嬉しい反面、ずっといつくるかいつくるかと緊張していたような気がします。
――「BLEACH 千年血戦篇」の貴方が思う魅力、見所をお聞かせください。

大原

もう皆さんおっしゃっていることかと思うのですが、とにかくオールスターが出揃う豪華な迫力とクライマックス感の凄まじさ!今はこういう状況下もあってなかなか収録でお会いできない先輩方も増えましたので、懐かしいお声がたくさん聞ける喜びもあります。
そして毎回劇場版かな?というくらいの素晴らしいクオリティ。
関わっていらっしゃる全てのキャストとスタッフさん方の並々ならぬ気合いと情熱を感じます。
――「BLEACH 千年血戦篇」制作中(アフレコ中)で起こった、印象に残っていることがありましたらお聞かせください。

大原

個別収録が当たり前になっている日々ですが、一心役の森川さんと一緒にアフレコできたことはとてもありがたく嬉しかっです。
予告の巻頭歌をとるときに「罪なきあなたは太陽のよう」「罪深きあなたも太陽のよう」とそれぞれ割り台詞にし、かつ実際に森川さんとマイク前に並んで、隣で一心の存在を感じながら掛け合いをさせていただけたのは大きな意味があったと思います。
実際、ゾクゾクしてちょっと涙が出そうになりました。
実は、高校生の時の声色と母親である時の声色の2バージョン収録したので、オンエアの時までどちらを採用されるのかわからないという密かな楽しみもありました(笑)。
――(「BLEACH 千年血戦篇」に因んで)最近起きた/見た“因縁”、“戦い”があればお聞かせください。

大原

2~3ヶ月ほど前から真剣にパーソナルトレーニングを始めたんです。
それもあって口にするものを多少気にするようになってきたのですが、今日は甘いものを我慢しよう!と心に決めた日に限って大好きなチョコレートや和菓子のプレゼントをいただくことが多く…日々その誘惑と戦っています。
だいたい負けてますけど。
あとは断捨離のときの、自分の執着心との戦い!だいたい負けてますけど(笑)。
――ご自身のお仕事をする上で、インプットするものとして多いものは何ですか?

大原

基本的に活字中毒なので、本が一番多いかもしれません。
雑食ではありますが主に小説が好きで、いつもカバンに何かしらの本が入っています。
お仕事の原作などは電子書籍のお世話になることが多いですが、やはり紙のページをめくるあの感触や装丁の質感、美しさ、読んでいる最中に出会うしおり紐の色にハッとさせられる感覚なんかもたまらなくて。
自分で企画し立ち上げた朗読のラジオ(「月の音色~radio for your pleasure tomorrow~」)をかれこれ9年ほどやらせていただいているのですが、その番組を通して出会った作家さんやアーティストさんから受けるたくさんの「すてき」がいい刺激と学びになっていると思います。と、さりげなく宣伝してみました(笑)。
――仕事において、ルーティーンなどはありますか?ございましたらお聞かせください。

大原

特にこれと決めてやっていることはないのですが、常に「これが最後かも」という意識は持つようにしています。
大げさに聞こえるかもですね(笑)心が動いたことは大切にしよう、とりあえず何でもトライしてみようと常に思っているのですが、結果その積み重ねがマイク前で出てくるものの豊かさにつながるのかなあとも思っているので、ルーティンというか…意識していることは、好奇心!そして一期一会、です!(笑)あ、あと、ちゃんと自分の身体の声を聞くこと、かなあ。
スタジオでも森川さんと健康についての話になったりしました。
――黒崎一心と黒崎真咲のこれまで語られてこなかった過去が明らかとなりました。
脚本を受けて(または原作をご覧になったときに)思ったことがあれば、お聞かせください。

大原

真咲のチャーミングさとカッコよさに心を撃ち抜かれつつ、一心が彼女を太陽だと表現した意味を改めてしみじみわかって涙が出ました。
そして、この両親にしてあの子あり、とも思いました。
言葉や行動や表情が、一護に重なるんです。
アニメでは多少のシーンの割愛は仕方ないとわかってはいましたが、どのシーンもどのセリフも心から演じたいものばかりで、台本をいただく前から原作のセリフを全て予習してワクワクしていました。
どれとは言いませんが、あのセリフも言いたかったーー!(笑)
――ご自身のキャラクターの性格を一言で表すとどのようなキャラクターだと捉えていらっしゃいますか?

大原

親友でいてほしい。
とにかく人としても女性としても、とてもまぶしくてかっこいい。
私の憧れる全ての要素を彼女は持っているのではないかなあと感じます。
優しさと包容力と芯の強さと茶目っ気と。
太陽だけでなく、月の穏やかさや神秘性も備わっている気がします。
高校生の真咲と一緒に、美味しいもの食べにいきたい。楽しいだろうなあ。
――大原さんからみて、一心のキャラクターを一言で表すと?

大原

まさに『太陽』かと。
真咲が自ら滅却師だと名乗ったときに一心が放った「そっかあ」というひと言が、どれだけ明るく彼女の心を照らしたかを想像するだけで胸がいっぱいになりました。
とてもとても怖かったとおもうから。
強くて可愛くて凛々しくて、いろんな覚悟も彼女なりに決めて、あの頃もうすでに完成されていたかのような真咲だけれど、でもやっぱりまだ高校生だったんだよなあって。
だからすごく嬉しかったと思うし、救われたんだと思います。
あの太陽のような笑顔と言葉に。
――大原さんからみて、石田竜弦のキャラクターを一言で表すと?

大原

とても真面目で、でも不器用な人。
「滅却師としての石田家を保持するため」という大義名分ゆえの婚約だったとしても、彼は本気で真咲を大切に思っているのが痛いほど伝わってきました。
竜ちゃん、真咲と呼ぶその距離感、とても好きでした。
――ご自身のキャラクターを演じていて、楽しい部分があればお聞かせください。

大原

彼女の覚悟を決めたときに見せる凛とした強さと、反面のけぞっちゃうくらいに無邪気で開けっぴろげな可愛いらしさのギャップは演じていて本当に楽しいですし、ますます彼女が愛おしくなりました。
ああこんなに素敵な女性だったんだなあって。
もっと、もっともっと演じたかったです。