BLEACH 千年血戦篇

SPECIAL

小野友樹(バズビー役)インタビュー

新人時代にアテレコ練習
声優人生の原点に『BLEACH』

――『BLEACH』で好きなキャラクターを教えてください。

小野友樹(以下、小野)

悩ましいですが、いちばん好きなキャラクターは石田雨竜ですね。
養成所に通っていた頃、アニメのセリフを自ら台本に起こして、映像を無音で流しながらアテレコをするという自主練習をしていたんです。
その際に、当時大好きだった雨竜をよく題材にしていました。
「死神代行篇」で1話まるごと雨竜がフィーチャーされるエピソードがあって、2~3分のセリフを文字に起こすだけでも1~2時間程度かかるので、2日間くらいかけて台本を作りました。
そんな思い出があるので、“石田雨竜篇”とも呼べる「千年血戦篇」に参加させていただけてとても嬉しいです。
――小野さん演じるバズビーの魅力はどういったところですか?

小野

勢いある性格が魅力だと思います。
バズビーのようにオラオラ系のキャラクターを演じさせていただく機会が多いですが、やっぱり思い切りのいいキャラクターは演じていて楽しいですね。でも、バズビーはただ感情任せに行動しているわけではなく、実は周囲の状況を冷静に見ていたり、面倒見が良かったりするので、そういったギャップも含めて好きです。
――「千年血戦篇」の魅力や見どころを教えてください。

小野

これまでの『BLEACH』に散りばめられた謎が解け、伏線が回収されていくところですかね。
いよいよ最終章なんだなという寂しさもありつつ、最終章だからこその盛り上がりが大きな見どころの1つだと思います。
バズビーを演じる立場としては、物語が進むにつれてバズビーの過去も徐々に明かされていくので、ご注目いただければ嬉しいです。

豪快さのなかに繊細なこだわり
アフレコで発見するバズビーの演じ方

――バズビーを演じるうえで注意していることはありますか?

小野

感情を表に出していい部分は、とことん出して最大出力で演じるように心がけています。
また、「バーナーフィンガー」は、数字が大きくなるにつれて、言い方も強くなるのかなと思ってアフレコに挑んだのですが、「1の段階から本気を出してください」というディレクションを頂きました。
バズビーは一発一発の攻撃に本気を出している、という捉え方なんです。
なので、バズビーの技は常に全力を出すようにしています。
――『BLEACH』のキャストの皆さんとの印象的なエピソードはありますか?

小野

デビュー当初に、杉山さん(石田雨竜役)とレギュラーでご一緒させていただいて、雨竜のエピソードでアテレコの練習をしていたことをお話ししました。
ハッシュヴァルト役の梅原さんとは色々な作品でご一緒する機会がありますが、今回は“因縁の相手”となるので楽しみです。
『BLEACH』の収録ではまだお会いできていませんが、キャラクターの関係性としてはまだ会えないくらいが丁度いいかなと思っています。
――原作者・久保先生とはお会いしましたか?

小野

バズビー役に決まった後で久保先生とお会いする機会があって、ご挨拶をさせていただきました。
そのときに、「小野さんがバズビーにいちばんピッタリだと思ったんです」と言っていただけたことがすごく嬉しかったです。
収録にも毎回来てくださっていて、僕が久保先生を好きすぎるがゆえの一方的な勘違いかもしれませんが、毎回目が合う気がして嬉しいです(笑)。
久保先生は全然こっちを見ていないのかもしれないけど、「あっ!いま僕を見た!」ってひっそり思っています。
――『BLEACH』で印象に残っている用語や言葉を教えてください。

小野

滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)がかっこよくて好きですね。
でも、原作を読んだときにふりがなが小さくて読めなかったので、漫画に顔を近付けて確認しました(笑)。
また、アフレコの際に久保先生から「バーナーフィンガー」に続く数字は一息で言い切る、とディレクションを頂いたことも印象に残っています。
原作を読んでいたときから「バーナーフィンガー、1(ワン)」と区切って発音していましたが、実際に繋げて発音してみると数字まで1つの技として、感情を乗せて発することができました。
数字の前で区切ると言葉の勢いが落ちてしまいますが、バズビーとしては数字まで言い切って技を放つときに最もボルテージが上がっていると思うので、演じてみると「その通りだな」と。
先生のなかで確固たる考えがあるからこそ、『BLEACH』にかっこいい表現の数々が存在するんだと思います。
――「-訣別譚-」にちなんで、最近“訣別”したものはありますか?

小野

深夜のドカ食いを週4~5回ペースで繰り返していましたが、訣別しました。
食べることが心から大好きなんですけど、次のライブに向けて衣装採寸があるので「体型変化に気を付けましょう」とマネージャーさんから言われて(笑)。
でも地方に行ったときには食べると決めているので、せめてもの抵抗として脂肪の吸収を抑えてくれるようなお茶も飲むようにしています(笑)。
――TVアニメをご覧の皆さまにメッセージをお願いします。

小野

僕が養成所に通っていた頃から憧れていた『BLEACH』の世界に、声という形で参加させていただけることが本当に光栄です。
「千年血戦篇」全体としてはまだ前半ですが、重要な戦いの数々、そしてゆくゆくはバズビーを巡る物語も展開していきます。
第2クールは「-訣別譚-」というタイトルですが、ぜひ『BLEACH』とは“訣別”せずに、最後まで熱く見守っていただけたら嬉しいです。