SPECIAL
小野坂昌也(平子真子役)インタビュー
今も昔も
少年心をくすぐる『BLEACH』
――「千年血戦篇」の魅力や見どころを教えてください。
小野坂昌也（以下、小野坂）
かっこいい戦闘シーンや必殺技の数々はもちろんのこと、味方だった石田雨竜が敵の立場になり、物語がどう展開していくのかも「千年血戦篇」ならではの大きな見どころの１つだと思います。『BLEACH』は、バトルもシナリオも少年心をくすぐる要素が詰め込まれているので、久保先生の発想力は本当にさすがだなと思います。
――平子の卍解の能力を知ったとき、どのようなご感想を抱かれましたか？
小野坂
始解もトリッキーな能力でしたし、ましてやあの平子のことなので、相手をただ斬ったり、パワーで圧倒したりするわけでは無いだろうなと思っていたんです。なので、初めて平子の卍解の能力が明かされたときは「なるほど」と納得しましたし、純粋に技としてかっこいいなと思いました。
――『BLEACH』との出会いを教えてください。
小野坂
実は平子役を担当させていただく前に、「尸魂界・救出篇」のアニメオリジナルエピソードに登場したゲジゲジムカデという虚の役で出演したことがあるんです。個性的なキャラクターだったので、演じていて楽しかったです。
いま思えば、僕は死神も虚も演じているんですね（笑）。
――『BLEACH』で好きな場面を教えてください。
小野坂
過去篇で平子と藍染が対峙するシーンは特に好きですね。両者とも精神を操る類の能力なので、目に見える派手な戦いを繰り広げたわけではありませんが、「実はあのときこうだった」という種明かしの連続が面白かったです。
藍染を上回ったと思ったのに“完全催眠”で凌駕されてしまって、平子を演じる身としては「勝たれへんのや……」と少しショックでした（笑）。
――『BLEACH』で印象に残っている用語や言葉を教えてください。
小野坂
絶対的な技の強さがある「卍解」がやはりかっこいいですよね。必殺技を叫ぶというのは、声優になったなら誰しもが叶えたい夢だと思っているので、そんなシーンを演じることができて嬉しかったです。
平子は怪しげな雰囲気を――
視聴者を惹き込む役作り
――これまで様々なキャラクターを演じられた小野坂さんですが、役作りで大切にしていることはありますか？
小野坂
主役を演じるときは、キャラクターの設定を細かく落とし込んでから演じるようにしています。完成している範囲のシナリオを共有してもらって、原作がある作品はとことん読み込んで、そのキャラクターがどんな風に育ったのか、何が好きなのか、など細かい設定を自分の中で作り込んでいくんです。
平子のように“いち登場キャラクター”という立ち位置であれば、あまり作り込みすぎず、元々ある設定を忠実に演じることで、主人公が引き立つし、作品全体の良さにも繋がると思っています。
――平子を演じるうえで気を付けていることはありますか？
小野坂
平子が登場したての頃は、視聴者の皆さんに「なんだかんだ一護の味方でしょ」と思われないように、敵っぽい怪しげな雰囲気を出すように心掛けていました。『BLEACH』はコミカルとシリアスの絶妙なバランスも大きな魅力の１つだと思いますが、平子にも同じ魅力があると思っています。
ひよ里と話しているときはガヤガヤしていますが、戦う時はかっこいい。
なので、締めるところは締めるようにしていましたね。
ひょうきんな部分だけではなく奥深さも見せられるように、切り替えを大事にしていました。
――「-訣別譚-」にちなんで、最近“訣別”したものはありますか？
小野坂
僕のYouTubeチャンネルでおもちゃをよく紹介しているのですが、動画用に買い続けたおもちゃと訣別しました。一部屋まるまる埋まってしまうくらい大量にあったので、業者さんに「この部屋にあるおもちゃをすべて持って行ってください」とお願いして。
ただ、その部屋に何のおもちゃがあるのか事前に確認せずに依頼してしまったので、行列に並んで買った思い入れのあるものまで一緒に持っていかれてしまって（笑）。
運ばれていくのを目の前で見ていたので、止めようと思えば止められたんですけど、一度言ったことは取り下げたくないという男心から「持って行かないで」とは言い出せず……。
そのまま回収されていきました（笑）。
――TVアニメをご覧の皆さまにメッセージをお願いします。
小野坂
護廷十三隊、星十字騎士団の様々な戦いが繰り広げられる第２クールですが、それぞれの見せ場がどのようにアニメーションで描かれるのか、僕もすごく楽しみです。ぜひ最後まで一緒に楽しみましょう！