BLEACH 千年血戦篇

SPECIAL

SIX LOUNGEインタビュー

リアルタイムで追っていた『BLEACH』
当時衝撃を受けた“最強の敵”

――『BLEACH』との出会いをお聞かせください。

ヤマグチユウモリ(以下、ヤマグチ)

『BLEACH』との出会いは、『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』が公開されているときです。
漫画とアニメを同時に追うほど、すごくハマっていて、お風呂場で「『大紅蓮氷輪丸』!」と叫んで真似していましたね(笑)。

イワオリク(以下、イワオ)

小学生の頃に兄が漫画を持っていて、それを借りて読んでいました。
周りにはアニメを観ている友だちが多くて、みんな『BLEACH』の主題歌を歌っていました。
その流行りについていきたくて、主題歌のベストアルバム『BLEACH THE BEST』を聴いていた思い出があります。

ナガマツシンタロウ(以下、ナガマツ)

俺は、小さい頃からアニメを観ていたので、『BLEACH』はアニメの記憶が強いですね。
――『BLEACH』で好きなキャラクターを教えてください。

ヤマグチ

なんだかんだ主人公の一護が好きなのですが……更木剣八も大好きです。
まず見た目がかっこいいですよね。
でかくて、誰がどう見ても一番喧嘩が強そうじゃないですか。
あと、色々と考えるよりも先にとりあえず戦うという潔い考え方も含めてかっこいいです。

イワオ

好きなキャラはいっぱいいます。なかでも市丸ギンは当時漫画を読んでいたときにかなり衝撃を受けました。
最初に登場したときはイヤな奴だなと思っていて、一護たちの邪魔もしますし。
だけど、最後、すべてが乱菊のためだったと知ったときにひっくり返りました。
めっちゃいいキャラなんだって。
あとは、京楽の“普段は緩いけれど、やるときはやる”という、あの大人の渋い性格もかっこよくて好きですね。

ナガマツ

俺も京楽さんはかっこいいなと思います。
雰囲気も好きだし、「相剋譚」で描かれると思いますが、京楽さんの卍解もよくて。
――敵側で好きなキャラクターはいますか?

ヤマグチ

どの敵も魅力的でかっこいいですよね。
なかでも、グリムジョーが特にかっこいい。
当時読んでいたときは、一つ一つの描写を深く考えて見ていたわけじゃないんですけど、“戦う理由がそれぞれみんなにあるんだ”ということを子供ながらに感じて、完全な悪役でもないんだと思い知りました。

イワオ

自分はウルキオラかな。
敵だけど超悪い奴というわけではなくて、ただただ強さを求めていたみたいな。
フォルムもシュッとしていて、かっこよかったです。

ナガマツ

個人的にはジジ。
能力も性格も、なんだかドキドキする魅力がありますよね。
――『BLEACH』のセリフで惹かれたものを教えてください。

ナガマツ

惹かれたのは京楽さんの卍解のところです。
今回の「相剋譚」で描かれるのでアニメの映像でどう表現されるのか楽しみです。

イワオ

自分は霊王宮で一護とユーハバッハが対峙するシーンで、「俺以外の誰かにできたとしても 俺がやらずに逃げていい理由にはならねえんだよ!」(コミックス68巻618話)という一護のセリフ。
“まさに主人公!”って感じで熱くなるいいセリフだなと思います。

ヤマグチ

真っ先に頭に思い浮かぶのは藍染の「…あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」(コミックス20巻170話)ですね。
敵ながら「かっけー!」と当時思いました。そして日番谷と藍染の戦いを見て、「誰が藍染に勝てるんだ?」と絶望したのを覚えています。

イワオ

藍染で言えば、以前所属していた「THE NINTH APOLLO」というレーベルの社長と打ち上げでよく「『BLEACH』で最強キャラクターは誰だ」というプレゼン大会みたいな遊びをしていたのですが、いつも社長が「最強キャラは絶対に藍染!」と言っていました。
他のキャラクターをプレゼンしても、最終的には社長に言いくるめられて「藍染が最強」という結論になっていた記憶がありますね(笑)。

『BLEACH』の想いを込めたいくつもの楽曲
『言葉にせずとも』のテーマは“あの巻頭歌”――

――『BLEACH』のセリフで惹かれたものを教えてください。

ナガマツ

“人と人は簡単には分かり合えないけど、そこに深い関係があれば言葉にしなくても通じ合うことができる”という友情とか愛とか、そういうテーマを持って作詞をしました。
これは、「言葉に姿があったなら 暗闇に立つきみに届きはしないだろう」というコミックス72巻の巻頭歌が自分の中でイメージとしてあって、オープニングテーマとつながっていきました。

ヤマグチ

僕は作曲を担当しましたが、「相剋譚」は“千年血戦篇の後半戦の始まり”のようなイメージがあって、結末に向けてどんどん戦いが佳境に入っていく、戦いが激しくなっていく様子を表現できるように意識しました。
サビに向かっていくにつれて曲調を激しく変化させて、楽器の音を大きく鳴らして戦っている様子を表せたらいいなと。

イワオ

確かに。
曲を聴いたときは、“疾走感”のイメージが強くきて、戦いの絵も浮かんできて、とにかくかっこいいなと思いました。

ナガマツ

あとタイトルに関して言うと、いつもは歌詞を書いたあとに仮のタイトルをつけることが多いのですが、『言葉にせずとも』は、歌詞を書いた後に自然と閃いて、それがすごくしっくりきたのでそのまま『言葉にせずとも』と決めました。
――作曲中に思い浮かんだ『BLEACH』のシーンはありましたか?

ヤマグチ

第1クールのオープニングのマゼンタカラーで彩られた映像がめちゃくちゃ好きでした。もちろん自分たちが手掛ける曲は別のもので、映像もまったく別のものになると理解はしているのですが、『スカー』のオープニング映像がすごくかっこよかったので、その映像を流しながら曲を作ったりもしましたね(笑)。
――『言葉にせずとも』のオープニング映像をご覧になって、いかがでしたか?

ヤマグチ

本当にかっこよくて感激でした!特にサビの箇所が最高で、お気に入りです!

ナガマツ

とにかくかっこよかった。
映像の勢いと、白黒ベースで少しカラーがある感じが自分のイメージと合っていて感動しました。

イワオ

初めて見たときはとにかく興奮しました!
第1クールと第2クールで全然違うテイストの映像だったので、今回はどういう映像になるのかなと思っていましたが、激しめな印象で、映像と曲がばっちりハマっていてかっこよかったです。
――『言葉にせずとも』の制作中に初めてトライしたことはありますか?

ヤマグチ

作曲に関しては、いろいろ挑戦してみた曲が他に何曲かありました。
というのも自分が思い描く『BLEACH』のイメージというのがいくつかあって、『BLEACH』に向けた曲を他にもたくさん書いたんです。
その中で『言葉にせずとも』のAメロを久保先生が気に入ってくださったと伺って。
だから『言葉にせずとも』に絞ってブラッシュアップを重ねていきました。
シンプルの中にもちょっと凝ったことをしたいなと。
『BLEACH』はところどころに大人っぽい要素が入ったりする印象もあったので、サビの転調をガラッと変えるのではなく、隠れ転調というか気付いたら転調しているコード進行をやってみました。

イワオ

それに気付いたかと問われると、俺はあんまり分からなかったかも(笑)。
でも、確かにサビのコード進行はいつも「次こうなるだろう」となんとなく予想ができるんですけど、いつもと違う意外性みたいなのはありました。

ナガマツ

転調に気付くよりも前に、デモの状態で聞いたときから曲としてかっこいいなと思っていました。
――オープニングテーマを担当すると発表されたときの、まわりの反響はいかがでしたか?

ヤマグチ

同級生から連絡がきました。
世代がドンピシャなので、みんな「すげー」って言ってくれて、肩で風を切って歩く気持ちでした(笑)。

イワオ

自分も兄弟とか友だちからたくさん連絡がきました。
あと、先程お話しした「THE NINTH APOLLO」の社長は普段あまり褒めてくれない人なんですけど、『BLEACH』のオープニングに決まったときは「やったー」と一緒に喜んでくれました。

ナガマツ

自分も「おめでとう」ってたくさん言われましたね。
――『言葉にせずとも』の制作を経て、『BLEACH』の印象は変わりましたか?

ヤマグチ

昔からのイメージと変わっていないですね。
でも、一つ変化を挙げるとするなら、僕が子どもの頃に観ていたときよりも、一護が強くなったなと。
昔の一護は、まだこれから強くなるなという感じがあったんですけど、「千年血戦篇」ではこれまでの戦いを経た一護がさらに零番隊と霊王宮で修業を重ねたじゃないですか。
だから一護がとても強くなったなと感じました。

イワオ

オープニングを制作するにあたって改めて一巻から読み直して、小学校の頃に抱いた印象とはまた違って見えるキャラクターが多かった印象です。
わりと最初からいるメンバーのことが昔よりもっと好きになるというか。
チャドや雨竜たちの、一護と一緒に成長して困難を乗り越える関係性により深みをおぼえました。
――サブタイトルの「相剋譚」にちなんで伺います。現在、ご自身の中で相剋していることはありますか?

ヤマグチ

この質問は、回答に一番悩みますね(笑)。
くだらないかもしれませんが、毎日曲を作ろうと机に向かいはするのですが、気が付いたらお酒を飲んじゃっていて、そういう自分との葛藤があります(笑)。
曲を書かなければいけないのに、ついお酒を飲んでしまう。まさに僕にとっての「相剋譚」かなと(笑)。

イワオ

俺も些細なことですが、「今年の夏は暑すぎる」という思いと「どうしても日焼けしたくない」という気持ちがどっちもありまして、長袖を着るか半袖を着るか相剋していました。
結果、今年の夏は、日焼けをしたくない気持ちが勝って、8月いっぱいまでほぼ長袖を着て過ごしましたね(笑)。

ナガマツ

ちょっとネガティブなことになってしまうのですが、一人は寂しいけど誰かいたらいたでそれもイヤかなと思ってしまうことです。一人でいるときは寂しいなーと感じて、でも誰かといると一人がいいなと思ってしまう。どっちなんだよって自分に思うことが相剋ですかね(笑)。
――最後に『BLEACH』のファン、SIX LOUNGEさんのファンにメッセージをお願いします。

ヤマグチ

俺らのファンは『BLEACH』と同世代の方が多いと思うのでとても喜んでくれていると思います。
『BLEACH』は世代関係なく愛されている作品ではありますが、やっぱりドンピシャの世代だと思うので。
ライブ中は、「卍解」のセリフとか叫んでもらえることを期待しています。

イワオ

『BLEACH』のファンの皆さんは、はじめましての方が多いと思うので是非これを機に我々にも興味を持っていただけたら嬉しいです。
いい曲は他にもいっぱいあるので、『言葉にせずとも』以外も聴いてくれたら嬉しいですね。
俺らのこと応援してくれている人たちには、この一言を。愛してます!

ナガマツ

『BLEACH』という作品にオープニングテーマとして関われて嬉しいです。俺らも一ファンとして「相剋譚」第一話の放送をすごく楽しみに待っていたので、みんなで楽しめたらいいなと思います。